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映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!


感想:

期待はしていたんですよ。

ぼくはバツイチで、別れた妻との間に8歳の息子がいるのですが、彼は「妖怪ウォッチ」のアニメが放送されてからその話をするようになり、その後3DSとゲームも買い、という感じでハマっています。現在は月に1回、彼と会っています。

「妖怪ウォッチ2・真打」が出るくらいまでは、ぼくはhuluのアニメを追っかけては、彼と会った時にその内容を話題にする、という感じで話をあわせていました。しかし前回の劇場版を息子と観に行った際、移動中に彼の3DSをやらせてもらって、思いのほかゲームの出来が良かったので、

「これは3DSを買った方がよいのか? 実際にメダルの交換をしたり協力プレイをしたほうが親子の交流が保てるのでは?」

と考えるようになりました。3DS本体とゲームを買うとなると、結構な金額になります。しかし覚悟して買う事に決めました。「1」を三日くらいで解いて、「2・真打」も三日くらいで解きました。今は「妖怪ウォッチバスターズ・赤猫団」をやっていて、「月兎組」もダウンロードし、バージョンも2.2までアップデートしてて、ブシ王も倒しました。バスターズの総プレイ時間は、現在360時間くらいで、妖怪メダルは86%くらい集めました。

 

そんなぼくが観た本作は、期待外れでつまらなかった。

 

「妖怪ウォッチ3」の登場人物、それまでのフミちゃんに代わる女性プレイヤーキャラとして登場する予定の未空イナホがアニメに登場してからくらいでしょうか、妖怪ウォッチを観て感じていた「面白さ」というものが、急激に落ちて行った感じがするのです。演出やギャグもどんどん雑に、あざとくなっていっている気がします。

例えばそれまでは、ケータのやっているゲームがカセットビジョンの「木こりの与作」だったり、失望する表現が「あしたのジョー」のラストカットだったりと、あくまで懐古ギャグ、パロディは「目配せ」的な扱いとして配されていました。それが今では「時間ないんで、もうこれでいいっス」という声が聞こえてきそうな勢いで、雑に、荒く、これみよがしに演出されるようになってきていると思います。

今回の映画も、最後につながる前フリとしての「5つの物語」が、あまりにも雑な物語でガッカリしたのです。

「人間にだって良いところがある」という事を訴えるための物語は、どれもあざといストーリーで、間にギャグを挟みつつも最終的には「ちょっと良い話」で終わらせている。「親は自分の事を大事に思ってくれている」「自分の夢を叶えることを諦めない」「生みの親より育ての親」「クリスマスプレゼントなんていらないから、母親の病気が治ってほしい」……聞いただけでもベッタベタなのに、さらにベッタベタな音楽と、ベッタベタな演出が付け加えられます。「妖怪たちが泣いてるでしょ、だからここは泣く場面なんですよ、さあお泣き」という。

本当に感動する作品って、観客が泣く場面で登場人物が泣いてる事って少ないと思うんですけれどね。

最後の中編も、特になんということはない内輪揉めの話。エンマ大王超ツエェ、無敵じゃんで終わる話(「無駄だ」とか言わせたいだけ演出)なんですが、その後実際にバスターズで入手できるエンマ大王が無敵かというと、そこはゲームバランスが崩れてしまうので「今までに入手出来た妖怪よりは強い」程度のキャラだったりして。極ぬらねいら倒すのに、エンマ大王4人がかりでも結構ヒーヒー言ってる感じですよ。

改めて、初週の興行成績で「スターウォーズ フォースの覚醒」を抜くほどの成功を収め、国内劇場版アニメとしては「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「アンパンマン」と張り合うところまで来たこのコンテンツの「面白さ」ってなんだろなって考えてしまいました。個人的にそれらと一番違うのは、

「見直すほどのもんではない」

ということでしょうか。お祭り映画として、こどもと一緒に一度観れば充分。帰りに限定メダルを引き換えられればお終い、という感じ。

「面白かったぁ!! DVD出たらもっかい子供と観返したい!!」というような気持ちをこの作品で味わいたいと心から思っているのですが、それは叶わぬ夢なのでしょうか。例えば息子がまだ3歳かそこらで、まだ一つ屋根の下に一緒に住んでいた頃、ご飯を食べてから寝るまでの時間に何度も一緒に観たピクサーの「ウォーリー」は、離婚してから5年以上経った今でも、お泊りで来た際に彼が「観たい」と言えば改めてふたりで観れる作品です。でも本作、前作を彼が観たいと言ったなら「えー折角だから他の観ようよ」という程度につまらないです。そういう気持ちが沸くんだろうなと思うことで改めて、ピクサーのみならず、他の国内アニメヒット作品のクオリティの高さに感服した次第なのです。

通信プレイが最高に面白い「妖怪ウォッチバスターズ」が、インターネット環境無しの単体プレイでは10分とやっていられないクソゲーと化すように、この映画も「映画を観る事で得られる幸福感」の欠落加減が片手落ちでどうしようもないのです。

いやいや面白かったよ、という人はそれで構いません。甘味料は舐めれば甘いし、着色料を入れれば彩が鮮やかになるもので、そういったものを入れないと美味しいと感じる事が出来ない人が大勢いるという事は分かっています。

来年も劇場版を作るという事で、おそらくまた息子と観に行くことでしょう。

ええっあんたこんだけダメ出ししといてまだ行くの!? スジ通って無くない!? とか思う人もいると思うんですが、「そりゃお祭り行けば楽しんでなんぼだから屋台で売ってるアメリカンドッグとか少々高くても買うよ、でもそれ家で毎日食うほどバカじゃねえよ、つかお祭りなんだから楽しませろよ!」という事です。

せめて、次回作はその息子と観た帰りに寄ったレストランとかで、ご飯を食べながらあそこの場面が面白かったとか、あそこの部分はどういう意味だと思う?とか とか、親子で反芻しながら語れる作品であって欲しいと思います。

おしまい

p.s.
「スナックワールド」みたいな宣伝短編つけるのもう止めて。
絵面とモーションは良かったけど、内容や設定が手垢まみれで2016年にこういうの観るのホント辛い。会場のあちこちから聞こえた「(妖怪ウォッチ)まだ始まらないの?」の声と併せて倍辛かった。

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