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300


300

感想:

35年ほど前にムキムキマンブームってのがあってね。ローマ兵士っぽい恰好をしたマッチョなおっさん(ことムキムキマン)が胸筋をピクピクさせながら体操する「ムキムキマン体操」 ってのが流行ったんですよ。

"♪男なら目立たなくちゃ、体だけは鍛えなくちゃ 顔なんか悪くたって 三角筋"って歌詞でね。

"300"……男なら、「さんびゃく!!」って力強く読みたいタイトルじゃないですか。「さんびゃく!!」って響きもいいじゃないですか。「何が300なんだ!?」って興味をもってもらえると思うんですよ。それをなんで「スリーハンドレット」と読ませるのか。脳筋の方々が、「なんだかブランドもののハンドバックみたいなタイトルだからよしとこう」ってならないとも限らない。取り込まなきゃいけないのはそういった脳筋のみなさんなのに……さんびゃく!! これでいいじゃないですか。恰好つけても家計は火の車じゃないんですか、余計なお世話ですかそうですか。

昔会社勤めをしていたころ、仕事終わりに福岡の中州に呑みに出たことがありまして、軽く居酒屋でお腹の方をいい感じにして、もう食いもんはいいやって事で、そろそろお姉ちゃんのいる店に行ってカラオケでも歌おうかい、って話になったんで、その酔った足で歓楽街をフラフラと、案内してもらってる会社の同僚のあとをついて歩いてた訳です。

中州といえば日本に名だたる歓楽街ですよ。そんなところを千鳥足で歩いていれば当然客引きの声もあちらこちらから聞こえてきて、断るだけでも酔いが醒めるってもんです。

そうしてめんどくさいながらも客引きのあんちゃんのアッピールを断る中、我々を引き留めた口上がありました。

「さぁさぁいらっしゃーい! 目の前おっぱい40個ッ!!」

えっ、てなりました。そうして直後に想像する40個のおっぱい。当時はおっぱいパブってのが流行ってましてね。あぁ、大きなおっぱいから小さなおっぱい、平べったいおっぱいからおわんのようなおっぱいまで、いいおっぱいわるいおっぱいがいろいろあるんだろうなぁ……ちょっと行きたい。と思わずにはいられなかったのです。言葉のマジック。

そういった点でも、この映画のポスターはわかりやすかった。

「300」という文字に筋肉ムキムキのおっさんがわーって叫んでいる。

300の……なんだろな?って思いますよね。ひょっとしたらこのおっさんのγ-GTPの値かもしれない。お酒を呑み過ぎて肝臓を悪くした話かな、このポスターは二次会かなんかで酒乱になって暴れてるようすかな、とかね。

実際には300の兵で100万の敵と闘う話だった。無茶だよね。その無茶をこのおっさんは一言で正当化する。


「俺たちはスパルタ人だ!!」


何が「だ」なのか。理由になっていないんじゃないか。最近、国内で教師による体罰が深刻な問題になっていると聞きました。暴力を行使して運動能力を高める指導をする事は、生徒の人格形成に大きな影を落とすともいわれています。だがそれは、昨日今日始まったことではなかったのだ!! スパルタの時代から受け継がれる体罰容認、いや体罰全肯定主義!! 子供のころ、裸に槍一本で狼を倒したおっさん。おそらく呑み屋でこのおっさんと体罰の是非について議論したら、彼はたぶんこう言うでしょう。

「そういうことは自分の力で狼倒してから言えッ!!」

もう反論できない。おっさん論点がずれてるよ、とか言えない。論破するのは簡単。でもこういうタイプの人は、ここでとどめを刺す一言を言うとまず間違いなく脱ぐ。そしてその屈強な筋肉にグッと力を入れてみせびらかしながら、
「これでも体罰は必要ないのか!!(筋肉にグッと力を入れる) 俺の筋肉を育てたのは体罰だ!!(再び筋肉にグッと力を入れる)」とか言い出しかねない。そうなると苦笑いしてた呑み屋の大将も、これはさすがに他のお客さんにも迷惑だってんでこちらに目配せをしてくる。しかたがないのでお勘定して店を出たはいいが、おっさんは酔っぱらって相変わらず大声で体罰必要論を唱えてるんで、タクシーも止まってくんない。ちょっと酔いを醒ませばおっさんもおとなしくなるだろうと思って、とりあえず近くの駅まで歩きましょうって提案して一緒に歩きはじめるんだけど、おっさんもうスイッチ入っちゃってるから、「嗚呼スパルタ」みたいな自分たちを全肯定する歌とか歌い始めちゃって、お前も一緒に歌えとか言ってくる。歌詞を知りませんので、と断るんだけれど、じゃあサビだけでも歌え、同じ歌詞だから次から歌え、とか、肩ガッて掴まれてものすごい形相で絡んでくるもんだから仕方なく一緒に、

「♪無礼な奴らは首刎ねよ~」なんて歌をヤケクソで歌ったりして家に帰ったのは深夜過ぎ、みたいなね。

 

映画本編の感想を書くべきなのですよね。

 

出てくる男連中はほとんどがバッキバキに鍛えあげた筋肉の持ち主で、調べたところによるとCGIじゃなくて、本当に鍛えた体だそうです。

となると……この映画には女性の登場するシーンがちょこっとあって、おっぱいが出ているシーンはどれも乳首がピーン! と立ってたんですね。

あれもCGIは使っていないんだろうなぁ。

なかなか立たなくて、
「すいません乳首待ちでーす!」ってトラブルとかあって、撮影が思うように進まなかった日もあったんじゃあないだろうか。そんな困難を乗り越えてこのような素晴らしい映画を完成させた監督はじめキャストやスタッフのみなさん、本当にお疲れ様でした。


体は鍛えよ! 乳首は立てよ!


この映画はそんなことをぼくに教えてくれた気がします。

<了>

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