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ラストスタンド


The Last stand

感想:

シュワちゃん本格復帰作! の割には大して盛り上がってないし、予告を観る限りでは嫌な予感もした「ラストスタンド」でしたが、80年代によくあった王道(ここでいう”王道”とは「いちいち理屈考えてたら脳みそが持たない」の意)アクション映画で面白かったです。

個人的には終止、「懐かしいなー」と思いながら観てたんですね。それは大ざっぱな展開だとか、FBIは命令ばかりするけど役立たずで、凶悪犯に作戦の裏をかかれてばかり、とか、どんだけ銃撃戦しても必要がなければ弾は決して当たらない、とかね。もちろんシュワちゃんのあの感じ、やっぱり生粋のアクション俳優と比べたらあまりにものっそりしてる動作とか、出てる俳優の中で一番酷い訛りの台詞回しとかね。何十年ハリウッドで俳優名乗ってんだ、ってくらい、相変わらず言葉はイモい。この点においてはやっぱ、シュワ映画を本気で楽しむなら玄田哲章の吹き替えじゃないとだめだ、って未だに思うもん。逆にいえばそれほど玄田哲章の声と演技は素晴らしく、シュワちゃんもこのくらい魅力的な声が出せる人になって欲しいと切に願う。無理だけど。

だけどシュワちゃん、その台詞回し以外の、つまり演技自体はとても良かった。特にロサンゼルスへ転勤を希望している若手保安官の話を聞いているときの表情。数々の体験をして来たからこそ、その若いヤツの言い分もわかる。頭ごなしに否定するんじゃなくて、聞き役に回る。この表情見た時に、シュワちゃんあと10年は指揮する側の役とかでも食っていけんじゃねぇのって思ったもん。現場はそろそろ無理だけど、困難な状況に置いて的確に指示を出して仲間を奮起させる役。「太陽に吠えろ!」でいえば石原 裕次郎の”ボス”的な存在というかさ。元筋肉アクション俳優が保安官の服着て地味な毎日を過ごす役と聞いてスタローンの「コップランド」思い出しちゃって心配だったんだけど、そういう意味では今回のシュワちゃんはよかった。
車。シボレーのモンスター・カーは凄いぜ! という点については、会社から車提供してもらってるんだろなと思うと貶す理由がないんだけれど、その車があれやこれやの理由でボッコボコになっていくのは素晴らしかった。プレステのレースゲームに「グランツーリスモ」ってのがあるんですが、第一作は何をどうしてもひっくり返らないんですよ。あとぶつかりはしても破損はしない。その理由はそういう表現をメーカー側がNG出してたから、って聞いたことがあります。そんな無粋な話に比べたら、このシボレーの壊され方は見ていて気持ちがいい。お客様が真似したらどうするんだ! って言われても、真似出来るお客様は「また買えばいいや」程度の余裕はある金持ちだと思いますからね。

で、その車が走るシーンで思い出したのは、最近の作品ではやっぱ「ワイルド・スピード」で、あれに負けないためのスピード感の表現をどうやって出すかに挑戦してんのかなと思ったり、真夜中に無灯火状態にしてスピード違反の取り締まりをブッち切れたのは夜間走行モード(ナイトビジョン)が搭載されていたからです、というのは「キャノンボール」のジャッキー&Mr.Booのスバル組オマージュだろうし、車を180度回転させると同時にギアをバックにいれて走行しながら相手を撃つ、ってのは「コブラ」からかなと思ったり、とにかくシュワちゃんが全盛期だった頃、シュワちゃん以外のB級アクション映画を沢山見てた人には嬉しい目配せの数々が入っててとてもよかった。

しかしこの映画! ひとつ非常に気に入らない点がある! それはラストの字幕!

なんだよ、「次はレッカー移動だ」ってのは!

ここ英語はね、冒頭の、横柄な性格の市長がシボレーを駐車禁止の場所(消火栓の前)に路駐してるのを見たシュワちゃんの、「車、ファイヤー・ゾーン(防火設備)に停めてますよ」って台詞を受けているんです。もちろんこっちは劇中で麻薬王が乗ったスーパーカーを追いかける手段を確保するために必要な伏線となるシーンでもあるんですけれど。で、その車が最後にお約束のようにボロボロになったのを見た市長がカンカンになってシュワちゃんに怒鳴ります。「ワシの車は何でこんな有様になっちまったんだ!!」。それに対するシュワちゃんの言葉、字幕では「次はレッカー移動だ」ってなってた部分の台詞(英語)はこうです。

「次からファイヤー・ゾーン(銃撃地帯)には停めない事ですね」

超カッコいいパンチラインじゃないですか! 溜飲下がりまくりじゃないですか! この台詞聞いて「上手い事言ってんじゃねぇよ!!」って背筋がゾクゾクした瞬間にエンディング曲のギター・リフがジャーン!! またまた背筋がゾクーッ!! そしてエンドクレジットがドーン!! そのインパクトに座りしょんべんをジャー!! 最高だ!! このキメ台詞で俺の中のラストスタンド評価は百点満点になりましたよ!!

なので本当にこの最後の台詞が英語と違ってたのはもったいない。終わってしばらくは何でこんな字幕にしたのかなーと残念だったんですが、担当は林完治さんという事で、おそらくその辺はわかった上で、日本語では上手い言葉が見つからなかったので、「次はレッカー移動だ」に決まったのかな、と思いました。ここは英語のダブルミーニングだから日本語では伝わりづらいと思いますしね。DVD発売の際、この部分は吹き替えでどうなってるんでしょうね。「次はレッカー移動だ」以上の、観ているものを唸らせる一言にして欲しいものです。※DVDが発売されたので確認したところ「違法駐車は高くつくもんです」になっていた。センスいい!!

とにかく本作は鑑賞前の期待値を大幅に上回った娯楽大作でした。面白かった! 最近の「アクション映画のくせに設定がうるさかったり会話が小難しい」映画に辟易している人には特にお薦めです! そしてシュワちゃん! Welcome back!!

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