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スターウォーズ / フォースの覚醒


써니

感想:

映画観に親を連れ添わずに行ったはじめての作品、それが「スターウォーズ / ジェダイの復讐」だった。ぼくには弟がいて、彼らの面倒も観るという事でおこずかいをもらい、片道1時間半かかる列車に乗って、大きなスクリーンで本編を堪能した。

「スターウォーズ」が日本ではじめて上映されたのはぼくが9歳の頃だったが、その本編をはじめて観たのはその「ジェダイの復讐」を観た後の事となる。テレビの特番でC-3POとR2-D2、それから3POの声を担当したアンソニー・ダニエルズがゲストでスタジオに生出演していたのを覚えている。ルークに渡辺徹、ハン・ソロが松崎しげる、レイアに大場久美子という、「芸能人吹替え」で放送されたその本編をビデオ(VHS)に録画し、何度も何度も観返した。インターネットなどは当然無く、レンタルビデオ屋というものがようやく立ち上がり始めた時代である。

そんな訳でぼくのスターウォーズ鑑賞は「ジェダイ > 新たなる希望 > 帝国の逆襲」というヘンテコな順番になっていて、劇場体験も相まって一番思い入れがあるのはジェダイなのだが、一番好きなシーンを挙げろと言われたら帝国の逆襲のホス戦になる。

新三部作の第一弾となる「ファントム・メナス」はいわゆる「カウントダウン上映」というやつで観た。公開日付の0時きっかりに上映をはじめるというもので、劇場ではダース・モールのコスプレをしている人や、そのフェイス・ペインティングを無料で行っている人がいた。20世紀フォックスの音楽が鳴り響いた瞬間、会場には万雷の拍手が巻き起こったが、何故かみな上映後は普通の映画を観終わったかのようなリアクションをしていて、水を打ったような、とまでは言わないが、パラパラという程度の拍手が起きた。帰り道が凄く長く感じたのを覚えている。

以後「クローンの攻撃」も「シスの復讐」も観るには観たが何度も観返すというほどには好きになれず、特に「シスの復讐」は一度か二度観たっきりで、結末以外はほとんど覚えていない。

 

という程度のファンであるぼくが「フォースの覚醒」を観た。

 

「シスの復讐」から10年ぶり、「新たなる希望」からは実に38年ぶりというこの作品にはもちろん全世界のスターウォーズファンはじめ大いに盛り上がって、全世界同時刻公開(香港・台湾はその前日から公開)ということで、都内における初回上映は早々にあちこちの劇場で完売していた。

ぼくはその狂乱に交じろうかどうしようか悩んでいたのだが、結局「ファントム・メナス」の際に受けたショックを思い出したりして二の足を踏んだ。その反面、ついうっかりインターネットでネタバレ発言など読んでしまうのも嫌だという気持ちもあり、初日初回以降で席が取れる回を観る事にした。

ちょっと驚いたのは、IMAXや4DX、また3Dや字幕版でなければ、割と普通に席が確保できる程度のフィーバーだったということだ。ぼくが観ようとしたのは2D吹替えで、事前告知のあった「特別パンフレット販売」の対象外の回。スッカスカだった。真ん中の、観やすい位置を予約出来た。レイトショーだったので1,300円で観れた。

次の日がその映画館のサービスデーだったので、今度は2D字幕版を観た。1,100円だった。特別料金2,000円で見せているところもあるというのが信じられなかった。ちなみにグッズはパンフをはじめ何も買ってない。

 

配給がディズニーに移ったという事で、おなじみの20世紀フォックスのテーマからの静寂、そしてスターウォーズのテーマという「溜めの醍醐味」は無く、逆にいきなり大音量でそれが流れるのを聴いてはじめて、

「何て大げさなはじまりかたをする映画だ」

と思ったりした。

「"新たなる希望"につながるまでの話」というEP1~EP3に比べ、「"ジェダイの帰還"以降の話」となるEP7は序盤こそその状況を呑みこむにあたりちょっとだけ構えて観ていたのだが、ミレニアム・ファルコンが出てきてからは一気に心を持って行かれてスクリーンに没入できた。ハン・ソロとチューバッカの登場にもグッと来たし、レイアやルークの登場にも感動した。

しかしそれらでぼくの心が揺さぶられるのは懐かしさからくるものであり、映画全体として考えた場合、クライマックスのショッキングな展開以降は、

「あれ……思いのほか自分盛り上がってないな……」

という心持ちだった。二回目もその気持ちは変わらなかった。それは「ファントム・メナス」を観た後の、あのストレートな失望感とも違っていて、それなりに楽しんだのにな、というよくわからないものだった。

帰宅して、改めて「新たなる希望」を鑑賞した(トラクタービームのパネルが英語で書かれていて、ジャバのシーンもないやつ)。SFXは古めかしく、時にマット・ペインティングは明らかに絵だとわかる感じなのだが、それでもやはり面白かった。懐古趣味的な楽しみ方ではなく、本当に一本の映画として面白かったのだ。

クソ田舎でくすぶっていた少年が仲間を集めてお姫様を救いに行くというストレートなプロットに、時折ユーモアが散りばめられているこの作品を観て改めて、「スターウォーズって、"楽しい"映画だったんだ!」という想いが沸き起こった。

「帝国の逆襲」以降、スターウォーズにおけるユーモアというものはだんだんとフェードアウトしていった気がする。理由の一つに「帝国と戦い銀河に平和を取り戻す」という行為に加担したルーク、レイア、ハン・ソロたちは、大人になる必要があったからだと思う。ジェダイでは「クマちゃんに捕まってローストされそうになる」という笑いどころもあるのだが、それらは傍から見た際の面白さであり、彼らにとっては普通に絶体絶命であるので、キャラクター自体がユーモラスであるとはいえない。

今回の「フォースの覚醒」では、その失われたユーモアが物語の軸となるキャラクターが交代した事で戻ってきた。人間味のある元ストーム・トルーパーのフィンをはじめ、時に自発的に時に相手の行動に対するリアクションとして、新たなる希望にあったようなユーモアを含んだ「笑わせどころ」があちこちにあった。今回鑑賞して一番良かったのは、スターウォーズがビジュアル面以外における「娯楽映画としての側面」を取り戻してきたということかもしれない。

スターウォーズ以降に制作された多くのSF映画が、CGの発達により何本もリブートされてきた(その結果は置いておくとして)。「まだ需要がある」と映画会社が見込んで未だに続編が作り続けられている映画もある。本当であればスターウォーズも、現在の技術でリブートされてもおかしくない作品だ。それが出来ないのは、未だにこの物語は、当初ルーカスがぶち上げた全9部作という構成すら終わっていないからである。そう考えると今回あちこちにノスタルジーを感じる映像が見受けられるのは「今の技術なら"アレ"や"あんなの"はここまで出来るんです!! でもまだ"その話"を作りなおして上映するのは現段階では不可能なんです!!  だってこの話はまだ初めに決めたゴールにすら辿り着いていないんですから!!」というJJエイブラムスをはじめとしたスタッフの心の叫びなのかもしれない。

 

ミレニアム・ファルコンが大活躍する話なので、やっぱりEP4~EP6は観ておいた方が良いと思います。フォースって何とかジェダイとシスってどう違うのとかは分かんなかったら調べずスッとばして、このポンコツ宇宙船に愛着を沸かせる事に重点を置いておくと、「フォースの覚醒」を何倍も楽しく鑑賞できると思います。

字幕はスターウォーズならではのSF会話を端折ってるところも多いので、英語がヒアリングできない人は吹替えで鑑賞するのがお薦め。

まだ3D版も4DX/MX4D版もIMAX版も観ていないので、上映期間中に制覇したいと思います。楽しみだなぁ。

おわり

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