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シェイム


Shame

感想:

男性のみんなーッ!! センズリ、こいてますかーッ!!

家にいて暇だとセンズリをこいてしまう、それがぼくです。

本当に良い時代になりました。インターネットを開いて動画を検索すれば、そこにはあまたのエロ動画エロ画像エロ情報につながるリンクが怒涛の勢いで表示されます。

えっ、こんな可愛い子がそんな破廉恥な真似を!? などと驚かなくなってから10年以上経ちます。でも結局オカズとしてはそれ以前、20年以上も前のAV女優で抜くことがほとんどなんです。現実世界では既に50歳を超えていても、液晶画面の中には未だ若く美しいままのあの娘が、あの頃と変わらない表情と手つきでフェラチオをしているんです。時には毎回同じことやってよく飽きませんね、と問いかけたくなるほどです。不慮の事故で死んじゃったあの娘も、その動画を観る事ででいつでも遭うことが出来るのです。天国の彼女に、僕は未だあなたの作品でこいています、あなたのまんこに人参が、大根が、片腕が深々と挿入されるのを観ながら勤しんでいますよ有希蘭さん、と伝えたい。

こんな感じでオナニーが好きなぼくですが、依存症というほどではありません。セックスについては最近御無沙汰だし、そもそも貧乏性なものですから風俗はもちろん普通に女性との出会いがあったとしても、セックスに至るまでの食事やデートにかかる費用を考えると「お金無いし面倒くさいからオナニーでいいや」と思ってしまう人なのです。

そりゃ当然、ある日住んでいた部屋のチャイムが鳴って、ドア開けるとそこに可愛らしい女の子が立ってていきなり、

「処女いりませんか?」

って尋ねてきたら驚きのあまり「間に合ってます!」と一旦ドアは閉めるものの、やっぱり考え直して同棲とかはじめるかもしれません。お待ちしております。

 

そんなぼくが「シェイム」を観ましたよ。「セックス依存症の男の話」って部分だけで、「やったセックスシーンが観れる!」ってんで、あとの説明はろくろく読まずに。

会社でオナニー! わかる! 俺も一時期毎日やってた! とか、
会社のPCからエロサイト! わからん! 履歴サーバに残るのに出来ん! とか。

「ダメな方の”アメリカン・サイコ”みたいな話だな」とも思いました。あっちが良いってことじゃなくて、狂っていなくて真面目なセックス依存症、というか。

観終わってネットで他の人の感想とか読んでると、「この兄弟には近親相姦の過去があるのでは?」などと書かれていましたが、だとすると本作中で不自然な部分が多すぎるので、それは無いんじゃないかなと思います。そういうことがやりたければ、この映画のクライマックスは二人が再び肉体的に添い遂げるや否やという展開になると思うので。「ゴーン・ガール」もそうですが、なんでみんな仲良い兄妹が訳ありな雰囲気で出てくると近親相姦に結び付けたがるの。映画の観すぎですよまったく。

では「SHAME」とは何だったのか。ぼくなりに考えてみました。

二人の自身に対する自虐具合から、彼らは幼いころから精神的に虐待されて育ったのでは、と考えます。兄はビジネスマンとして、普通の人がみたら羨むような生活を送れています。仕事は順調で会社からも評価され、ハンサムなのでプライベートでは気に入った女性を難なく落とします。また妹はシンガーとしてニューヨークでライブするといるという夢を叶えました。その選曲はベッタベタで、「グレムリン2」を観た方ならご存知の「ニューヨーク・ニューヨーク」です。兄はその妹の唄を聴いて泣きます。田舎から大都会に出てきて、ついにこの歌を妹が舞台で歌う日が来たんだ、彼女の夢が叶ったんだ、という想いがあったのでしょうか。

でも二人はからっぽでした。たどり着いたゴールのその先には最早やりたい事も無く、「夢のあと」の日々をどう暮らしたらいいのか、まるで思いつかないようでした。兄はセックス依存症となることで、妹は恋愛依存症となることで、残された「からっぽの日々」のその隙間を埋めているようでした。

「私たちは悪い人間じゃない。悪い場所にいたのよ」

妹はそう兄に語りかけます。返せば、二人は自分たちの事を「悪い人間だ」と思い込んでいる、もしくはそう呼ばれた過去を持っているということではないでしょうか。

この話には二人の両親の話は出てきません。彼氏の部屋を追い出されて行くところが無いと言う妹に兄は「実家に帰ればいい」とは言いません。既にそれが無いのか、もしくは帰れない理由があるのか、それは明かされませんが、もう二人には「戻る場所」がありません。「戻る場所」とは住む部屋の事ではなく、「HOME」を指します。

私たちは、この世界にいてはいけない存在ではないのか。

肉体的な繋がりを求める兄と、精神的な繋がりを求める妹。兄が射精(セックスとオナニー)に走るのも、妹が恋愛に走るのも、「居場所(HOME)探し」のためではないでしょうか。どちらも求めているのは「この世界のどこかにいるはずの、自分を受け入れてくれる誰か」ではないかと考えます。

そしてSHAMEには、「恥」とか「恥辱」などというほかに、「つらよごし」という意味もあります。

「お前(ら)なんか産まれて来なきゃよかった」
「お前(ら)がいるお蔭で、俺(たち)の人生は滅茶苦茶だ」

もし二人を育てた者に、彼らが日常的にそう侮蔑されて育てられて来たとしたら、と考えてしまいます。どれだけ従順であっても決して認めてくれることのない環境、そこから逃げるために二人が選んだ場所が「自由の国」アメリカ、ニューヨークだとしたら。そこで成功すれば、もう誰からも虐げられることはないと努力してやっと掴んだものが、自分の人生にとっての解決策にはならないと気づいたなら。私たちはこの世界にいてはいけない存在なのだ、という想いが、この世界に私たちが「いようがいまいが」そもそもどうでも良かったのだという答えに変わっただけだとしたら。成長する事、成功する事、それらが幸せの答えではなかったとしたなら。そんななかで起こった、唯一信じられる存在だったもの同士の絆の崩壊。

クライマックスで兄が泣き叫ぶ理由は、単に彼女に「それ」を選ばせてしまったということだけではなく、

「ずっと探していた答えのひとつはもうあったのに気付かず、しかも自分の身勝手で無くしてしまうとろだった」

からではないでしょうか。だから当然この先にたどり着くのは、お互いの「肉体」を求め合うなどという、単純な欲望ではないと思うのです。もとよりそうしたければ、勝手にそうすれば良いだけの話なのですから。

 

ラストシーンは、観る人によって答えが違うでしょう。映画の脚本をネットで見つけて読んでみると、「兄がどちらの行動を取ったのかは分からない」と書かれていました。監督もその脚本のとおり、その答えを観客にゆだねるという演出をしていると思います。

つまりあのラストは観客の心の鏡になる役割を果たしていて、あのシーンをどう捉えたかで自身の「愛情」や「欲望」がどんなものか知る事が出来るつくりになっているのです。「彼は改心した」と取るか「彼は反省しない」と取るか。「あなたは人間というものをそう捉えているのですね」と逆に聞かれている気がしました。

 

「あなた」は、あなたがいようがいまいがどうでもいいこの世界の「あなた」の事を、あなたを慕ってくれる人の事を、どのくらい大切にしてあげていますか?

 

ぼくはとりあえず、おちんちんをいじることで自分を慈しもうと思います。よーし今晩もセンズリこくぞーッ!!

おわり

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