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ソルジャー


Soldier

感想:

“銀河系で繰り広げられる近未来の戦争を担うのは、冷酷で従順な戦士となるべく訓練されたソルジャー。しかし時代は変わり、遺伝子操作が生んだ新型戦闘員によって、トッドのようなベテランはもはや時代遅れに。だがトッドがおとなしく処分されると思ったら大間違いだ! (huluの紹介文より)”

 

トッドはおとなしく処分されていた。話が違うじゃねぇか、おい!

新型人間兵器との闘いに敗れ、死んだと思われた(実は生きていた)トッドは死んだ仲間2人と共にゴミ捨て場となっている惑星に放り出される訳です。

この惑星が「これはまた大がかりなセット組んだな」と感心する事が先に来てしまうくらいのナイスディストピアでして、調べたら製作費4000万ドルだって。当時のSF映画は「マトリックス前夜」でして、何でもかんでもCGで済ませてしまう昨今と違い、宇宙船はミニチュア、風景もある程度はガチで建てた方が安い時代で、それを知ってるぼくとしては「意外と金掛けてるなぁ」というのが素直な感想でした。まあでも物語はクライマックスまでほとんどそのセット周辺で進むので、それが金をかけられた理由になるのかなとも思いましたが。

その惑星に捨てられてからのトッドはですね、もう何か死んだ目をしている。ずぶ濡れで困っている子犬のような眼。こういう目はウィリアム・H・メイシーが大得意とするところなんですけれど、それをタフガイ役の多いカート・ラッセルがやるから見ているこっちは切なさ倍増。兵士として無駄口を叩かない育てられ方をされて来たから、セリフもほとんど喋らない。いいねぇ、中年の悲哀が良く出てるねぇ。PC使えない人はクビねって程度の条件でリストラされたサラリーマンとかが観たらもう泣けて泣けて仕方ないんじゃなかろうか。

とはいえ観に来たこっちとしては「これでクライマックスに戦闘シーン無くて単なる人情噺で終わる気じゃねえだろうな」という一抹の不安も隠せない訳です。しかしそこはB級映画の雄、ポール・アンダーソンです。ランボー、コマンドー、地獄の黙示録などで観たようなカットを臆面も無くパクったショットをこれでもかと投入。一人対多数という危機的状況から、因縁あるボスキャラ的兵士とのタイマンまで持ち込みます。これはこれで逆に、「今まで描いてきた兵士と一般人との心の交流無くてもよかったな」という気持ちになりました。

話の畳み方も最高で「あ、話まとめるの面倒くさくなったんだな」と思わずにはいられないテンポの良さ。「悪いやつは死に、トッドもひとりの人間として慕われるような存在になれたのでした、めでたしめでたし」という感じに投げっぱなします。観終わったぼくの心に去来したのは「この映画はいったい何が言いたかったんだ」という想いでした。

それでも「どうせそれほど面白くねえんだろうな」という予想をもたれがちながらも「意外と良かった」レベルの作品である事は否定できません。あえて小言を言うとすれば、

「お前らはヘビに対して脇が甘いというかヘビ出過ぎ」

ということくらいでしょうか。

寝落ちするかもしれないけど何か観たいな、という気分の時にお薦めの一本です。

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